NF Special Interest Group(M6)第2回ミーティングを開催 ― デジタル事務局化と20年先を見据えた海外農業研修戦略
NFサイト活用研究部会(通称SIG:シグ)Share
NF Special Interest Group(M6)
デジタル事務局の整備から、次世代人材育成と海外農業研修の中長期戦略へ
第1回ミーティングで共有した「情報発信・ネットワーキング・県組織支援」という基本方針を、具体的な実務へ移すことが今回の主な目的です。
前半では、県組織やSIGメンバーが継続して利用できるメール環境の設定を進め、後半では、国際農友会および海外農業研修事業が今後どのように若い世代、帰国研修生、海外農家との接点を再構築していくかを議論しました。
今回のミーティングの位置づけ
第2回ミーティングは、デジタルツールの導入確認だけを目的とした会議ではありません。
メール、Webサイト、AI、オンライン会議などの基盤を整えながら、県組織の事務負担を軽減し、全国の帰国研修生や次世代の農業人材をつなぎ直すための実践的な検討を進める場として開催しました。
NF-SIGは、国際農友会の正式な内部組織や事業部門として設置された枠組みではありません。国際農友会と海外農業研修の将来を考える有志が、自主的に集まり、課題の整理や実践案の検討を進めているグループです。
そのため、SIG内で出された意見や提案は、そのまま国際農友会の決定事項になるものではありません。実施を目指す企画については、内容、目的、必要な体制、期待される効果を整理した上で、理事会などの正式な手続きを通じて提案していきます。
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県組織の情報発信と事務局機能を支える
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若い世代・帰国研修生・海外農家との接点を増やす
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海外農業研修事業の持続的な発展につなげる
主な参加・発言メンバー
※以下は会議中の主な発言・報告内容に基づく整理であり、正式な出席者名簿ではありません。
| 氏名・区分 | 主な共有・提案内容 |
|---|---|
| 藤田 春恵 氏 | 営農研究会や啓発活動へのAI活用、8月の理事会に向けた事業化・予算化の考え方について共有。会議終盤には、SIGの位置づけと実証実験から正式事業化へ進む流れを取りまとめた。 |
| 藤川 勇 氏 | 海外農業研修事業の中長期戦略、若年層への早期アプローチ、県組織と本部の資金・活動体制について提案。 |
| 清家 正亀 氏 | newfarmers.jpドメインメールの設定支援、AI活用、うわじま・メディアラボの実践、国際交流型の情報発信について説明。 |
| 安福 元章 氏 | 兵庫県での若年層・農業高校生への働きかけ、県内OBへの情報共有、メール設定環境について報告。 |
| 檜垣 真城 氏 | 農林水産大臣への決議文提出に関する進捗、協会の組織運営、事業予算と活動のあり方について共有。 |
| 皆戸 顕彦 氏 | 海外農業研修事業の予算活用、派遣先農家の確保、研修生の質と応募者数の課題について説明。 |
主な議題
1.newfarmers.jpドメインメールの設定と技術支援
各メンバーに発行したnewfarmers.jpドメインのメールアドレスについて、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、実際に使用する端末を確認しました。
清家から、メール設定サポートページのURLとパスワードを各メンバーへ個別に案内し、それぞれの端末で受信・送信できるよう設定を進める手順を説明しました。
専用メールアドレスを整備する目的
- 個人メールに依存しない事務局運営
- 担当者が交代しても引き継げる情報管理
- 県組織・SIG・本部間の連絡経路の標準化
- 将来的なAI活用や共有環境への接続
メール設定は一度に全員が完了できるとは限らないため、未設定のメンバーについては個別支援を継続し、次回ミーティングで利用状況を確認することになりました。
2.AIを活用した「デジタル事務局」の可能性
会議では、農業地域や県組織によってデジタル技術への習熟度に差があり、新しい仕組みを一斉に導入するだけでは定着しないという課題が共有されました。
一方で、ChatGPTをはじめとするAI技術は急速に進化しており、案内文、議事録、活動報告、ブログ記事、英語要約、FAQなど、県事務局が日常的に行う作業を補助できる可能性があります。
AIは担当者の判断を置き換えるものではなく、少人数・高齢化が進む組織でも事務局機能を維持するための補助基盤として位置づける必要があります。
想定される事務局支援
- 会員・学校・行政への案内文作成
- オンライン会議や議事録の要約
- 県別ブログ記事の下書き
- 海外農業研修に関するFAQ整理
- 日本語・英語による情報発信
- 協賛依頼文や活動報告書の作成補助
3.うわじま・メディアラボから考える次世代人材育成
清家氏からは、宇和島で準備を進めている「うわじま・メディアラボ」の活動について報告がありました。
この取り組みでは、中学生から大学生までの若者が、地域の人、歴史、文化、産業、防災などを取材し、日本語と英語で国内外へ発信します。地域の価値を自分の言葉で伝え、外部から反応を受け取ることで、地域への理解と誇りを育てることを目指しています。
8月からは海外パートナーとの交流企画も予定しており、地元企業や地域産業と連携しながら、若者が国際的な視点を身につける機会をつくります。
参加者からは、この流れが海外農業研修の基本構造と共通しているとの意見がありました。
→ 自分の言葉で伝える
→ 海外と交流する
→ 世界の中から地域と農業を見直す
海外農業研修の募集を高校卒業後や就農後に始めるだけでなく、小学生・中学生・高校生の段階から、農業、地域、海外への関心を育てる仕組みが必要ではないかという議論につながりました。
4.海外農業研修事業の中長期戦略
会議後半では、国際農友会および国際農業者交流協会の将来を考える上で、単年度の活動だけでなく、20年先を見据えた中長期戦略が必要であるとの意見が出されました。
まず将来の派遣人数や目指す組織の姿を設定し、そこから逆算して、学校訪問、キャラバン活動、SNS発信、地域クラブ、OB・OG活動をどのように組み合わせるかを考える必要があります。
特に、各県組織の会員減少と事務局負担が進む中、県単位の活動だけですべてを支えることは難しくなっています。本部と県組織の役割、資金の集約と配分、全国共通で実施する啓発活動について、今後も検討を続けます。
5.帰国研修生と海外ホストファミリーの再接続
海外農業研修を経験した帰国研修生と、受け入れを行った海外のホストファミリーとの関係は、研修終了後に十分活用されていない場合があります。
会議では、NFサイトに体験談や思い出を蓄積するページまたは投稿フォームを設け、帰国研修生とホストファミリーの交流を再接続する案が出されました。
また、ホストファミリーに対し、「なぜ日本の若者を受け入れたのか」「受け入れを通じて何を感じたのか」をインタビューし、その声を今後の募集活動に活用することも提案されました。
今後蓄積を検討する情報
- 帰国研修生の研修体験と帰国後の歩み
- ホストファミリーから見た日本人研修生
- 研修後も継続している交流事例
- 研修経験が農業経営に与えた影響
- これから海外研修へ向かう若者へのメッセージ
6.派遣先農家の確保と研修生の質の向上
海外農業研修事業を拡大する上では、応募者の確保だけでなく、研修生を受け入れる海外農家とのネットワークを増やす必要があります。
外国語による情報発信、海外農家との直接対話、海外の農業者を招いたオンライン意見交換会などを通じて、受け入れ先へ事業の意義を伝える案が話し合われました。
また、研修生の質を高めるためには、少数の応募者から選ぶのではなく、まず制度を知る若者の母数を増やすことが重要です。研修生自身によるSNS発信や帰国後の活動紹介も、次の応募者に制度の価値を伝える有効な材料になります。
帰国後についても、単に研修を終えるだけでなく、就農、農業経営、地域活動、事業展開までを継続的に支えることが、組織の役割として検討されました。
7.農林水産大臣への決議文提出に関する報告
会議中には、農林水産大臣への決議文提出に向けた会場手配や調整状況についても報告がありました。
国際農友会として現場の課題や海外農業研修事業の意義をどのように政策へ伝えるかは、今後の組織活動における重要なテーマです。
8.藤田氏による取りまとめと実証実験への道筋
ミーティングの最後には、藤田春恵氏が、SIGの位置づけと今後の進め方を整理しました。
SIGは、国際農友会の正式な枠組みとして予算や権限を持つ組織ではなく、有志が自主的に集まって活動案を考える場です。そのため、最初から国際農友会に予算を求めるのではなく、まずSIG内で何を実施するのかを具体化し、実際に動ける企画へ整えることが重要であると確認しました。
その上で、8月の理事会に向け、次のような段階を踏んで提案を進める方向が共有されました。
理事会に対して、単に「予算をください」と要望するのではありません。「この企画を実証実験として実施するために、必要な予算をご検討いただきたい」という形で、目的、内容、必要経費、期待される効果を明示して提案します。
この進め方により、SIGで出されたアイデアを議論だけで終わらせず、小規模な実証から効果を確認し、必要に応じて国際農友会の正式事業へ発展させる道筋が明確になりました。
今回確認した実施事項
| 項目 | 実施内容 |
|---|---|
| ドメインメール | 未設定のメンバーはサポートページを確認し、必要に応じて個別支援を受けながら設定を進める。 |
| 設定状況確認 | 次回ミーティングで、各メンバーの送受信状況と利用端末を確認する。 |
| AI・デジタル活用 | 県組織の情報発信と事務局支援に応用できる実践例を引き続き共有する。 |
| 若年層への発信 | 農業高校生を含む若い世代への早期アプローチと、地域クラブ等との連携可能性を検討する。 |
| 体験記録 | 帰国研修生・ホストファミリーの体験や交流をNFサイトに蓄積する方法を検討する。 |
| 実証実験企画 | M6内で出されたアイデアに優先順位をつけ、8月の理事会に向けた実証実験企画書を作成する。 |
| 理事会への提案 | 企画の目的、実施方法、必要経費、期待される効果を整理し、実証実験に必要な予算の検討を依頼する。 |
| 次回会議 | 第3回ミーティングを8月に開催し、実証実験候補の優先順位と企画内容を具体化する。 |
今後検討を続けるテーマ
- 小学生から高校生までを対象とした農業・国際交流教育
- 学校訪問や啓発キャラバン活動の全国的な展開
- 県組織と本部の役割分担、資金の集約・配分方法
- 海外の受け入れ農家を増やすための外国語発信
- 帰国研修生によるSNS・ブログ発信の強化
- 研修生の帰国後の農業経営・事業展開支援
- 海外農家を交えたオンライン意見交換会
- OB・OGネットワークを再接続する連絡・情報共有基盤
- 実証実験として優先的に取り組む企画の選定
NFサイトが担う次の役割
NFサイトは、海外農業研修制度を紹介するだけのWebサイトから、全国の活動と人のつながりを蓄積する共通基盤へ進もうとしています。
帰国研修生、ホストファミリー、県組織、学校、海外農家、地域クラブの声を記録し、それぞれを結び直すことができれば、過去の研修実績は次世代のための学習資源になります。
また、M6で検討した実証実験の過程と結果を記録することで、新しい取り組みがどのような効果を生んだのかを、会員や関係者へ分かりやすく共有できます。
メール環境の整備は小さな作業に見えますが、継続的な情報発信、AI活用、全国的な連携を支える重要な基礎です。
議論から実証へ、実証から正式事業へ
第2回ミーティングでは、具体的なメール設定支援から始まり、若い世代への農業教育、帰国研修生とホストファミリーの再接続、海外の受け入れ農家の確保、組織と財源のあり方まで、幅広い議論が行われました。
すべての課題を一度に解決することはできません。また、SIG内で話し合っただけで、直ちに国際農友会の正式事業になるものでもありません。
まずは有志が優先課題を選び、実証可能な企画へ落とし込み、実施と検証を重ねます。その結果を正式な組織へ報告し、有効性が確認できた取り組みを継続的な事業へ育てていくことが、今回確認された基本的な進め方です。
NF-SIG(M6)では今後も、デジタル技術を目的化せず、農業人材を育て、人と地域をつなぎ、海外農業研修の価値を次世代へ継承するための実践的な活動を進めていきます。
English Summary
The second meeting of the NF Special Interest Group, now known as M6, was held online on July 15, 2026.
The first part of the meeting focused on technical support for email accounts using the newfarmers.jp domain. Members confirmed the devices they use and reviewed the procedures for setting up their organizational email accounts.
The discussion then expanded to the practical use of AI for administrative work, communication and regional reporting. Participants also reviewed the Uwajima Media Lab initiative as a possible model for introducing younger generations to local industries, international exchange and future overseas agricultural training opportunities.
Other major topics included the long-term strategy of the overseas agricultural training program, early outreach to younger generations, stronger communication with overseas host farmers, reconnecting alumni with host families, and supporting trainees after their return to Japan.
At the end of the meeting, Harue Fujita summarized the position of the SIG and the proposed path forward. The SIG is not a formal organizational unit within the Alumni Association of Japanese Overseas Agricultural Trainees, but a voluntary group of members working together to develop ideas and practical proposals.
The group agreed that it should first prioritize its ideas and prepare a concrete pilot project proposal. The proposal would then be submitted to the board with a request to consider the budget required for the pilot. After implementation, the results would be evaluated and reported to the board. If the project proved effective, it could then be considered for adoption as an official program.
This approach is not a general request for funding. It is a proposal to consider the specific resources required to test a clearly defined project and verify its effectiveness.