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国際農友会英名:The Alumni Association of Japanese Overseas Agricultural Trainees

全国の帰国農業研修生で構成された国際農友会は、世界に羽ばたく日本の農業青年を応援しています。

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【愛媛県】海外農業研修が育てるもの——人を受け入れ、関係を育てる農業の現場から

【愛媛県】海外農業研修が育てるもの——人を受け入れ、関係を育てる農業の現場から

April 28, 2026 愛媛県国際農業者交流協議会
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令和8年(2026年)4月28日(火)、3名のフィリピン人農業研修生が、空路にて無事に愛媛県松山市へ到着されました。松山空港では、受入農家の一人である田村隆悟会長が3名を出迎えられ、昼食後、午後1時より愛媛県庁農林水産部を表敬訪問しました。

県庁では、農政企画局農政課 農地・担い手対策室の峯下久美室長をはじめ、眞鍋係長、上甲担当技師に温かく迎えていただきました。

海外農業研修は、単に海外へ行って農業技術を学ぶ制度ではありません。受け入れる側、送り出す側、そして研修生本人が、国や世代を越えて「農業を通じた人と人とのつながり」を築いていく取り組みです。今回の対話では、研修生受け入れの現場から見える意義、外国人材との向き合い方、そしてこれからの農業に必要な視点について語られました。

海外農業研修について語り合う会場全体の様子
ASEAN農業研修生たちは、日本語で自己紹介され、フィリピンでの農業経営の様子などについて話されました。

海外農業研修が育ててきたもの

対話の中でまず確認されたのは、この研修制度が長年にわたって築いてきた「交流の蓄積」です。 研修を経験した人たちは、帰国後も受け入れ農家やホストファミリーとの関係を続けており、40年近く経っても連絡を取り合う関係が残っている例も紹介されました。

これは、海外農業研修が単なる技術研修ではなく、人生に残る人間関係をつくる機会であることを示しています。 研修先で出会った家族、地域の人々、農業者との関係は、研修生にとって大きな財産となります。

海外に「もう一つの家族」を持てることは、研修生にとって大きな意味があります。 それは農業技術だけでは得られない、人生の支えとなる経験です。
海外農業研修について話す参加者の様子
研修を経験した人、受け入れてきた人、それぞれの立場から、海外農業研修が残してきた人とのつながりについて共有されました。

研修生を「労働力」だけで見ないこと

今回の対話で特に重要な視点として語られたのは、外国人研修生や外国人材を単なる労働力として見てはいけない、という点です。 農業現場では人手不足が深刻になっており、外国人材の受け入れは今後ますます重要になると考えられます。

しかし、受け入れる側が「人手」としてだけ研修生を見ると、トラブルや定着の難しさにつながる可能性があります。 研修生を会社の一員、地域の一員、あるいは家族に近い存在として受け入れる姿勢が大切だという意見が出されました。

受け入れ現場から見える大切な姿勢

  • 研修生を単なる労働者として扱わないこと
  • 自分自身の海外研修経験をもとに、相手の不安や孤独を理解すること
  • 日常的に連絡を取り合い、問題を早めに把握すること
  • 日本での生活そのものが学びになるよう、温かく迎えること

東日本大震災以降に続いてきた受け入れ

対話では、東日本大震災の頃をきっかけに、フィリピンからの研修生受け入れが再び始まった経緯も語られました。 当初は急な受け入れから始まったものの、その後、地域の農家が協力しながら受け入れを続け、現在までおよそ15年にわたる継続的な交流につながっています。

研修生の多くは農家の子どもたちであり、帰国後は自分の国で農業に携わる人も少なくありません。 その意味で、愛媛での研修は、研修生本人だけでなく、帰国後の地域農業にもつながっていく可能性を持っています。

海外農業研修に関する資料をもとに説明する様子
愛媛県国際農業者交流協議会の田村会長が、ご自身の米国研修での経験について触れながら、海外農業研修制度の背景や、愛媛における受け入れの歩みについて話されました。

農業と外国人材のこれから

愛媛県内でも、農業分野における外国人材の受け入れについて関心が高まりつつあります。 一方で、農業は介護や造船などの産業と異なり、年間を通じて安定した仕事を提供しにくい場合があります。 作物や季節によって必要な人手が変わるため、受け入れの仕組みづくりには慎重な設計が求められます。

そのため、単に人手不足を補うためだけではなく、研修・生活・地域交流を含めた受け入れ体制を整えることが重要となります。私たちが海外農業研修のように、長年の交流と信頼を基盤にした制度は、今後の外国人材受け入れを考えるうえでも大きな示唆を持っています。

人手不足への対応

農業者の減少が進むなか、外国人材の受け入れは避けて通れない課題となっています。 ただし、労働力確保だけを目的にすると、長期的な関係づくりにはつながりにくくなります。

季節性への対応

農業には繁忙期と閑散期があるため、年間を通じた雇用設計が難しい面があります。 地域内での仕事の組み合わせや、受け入れ農家同士の連携も今後の課題です。

信頼関係の構築

研修生が安心して学び、生活できる環境を整えるには、受け入れ側の姿勢が重要です。 生活面での支援や日常的な対話が、トラブルの予防にもつながります。

海外農業研修を通じた交流の様子
農業を通じた交流は、制度の説明だけでは伝えきれない、人と人との信頼関係によって支えられています。

便利さだけでは測れない農業の価値

対話の後半では、農業のDX、ICT、AI、ドローン、衛星利用など、現代農業を取り巻く技術の進歩についても話が広がりました。 技術の活用は重要である一方で、それだけに頼りすぎることへの懸念も語られました。

世界情勢、燃料価格、災害、感染症など、予測できない出来事が起こる時代において、農業には「自分たちの地域で生きていく力」を支える役割があります。 先端技術を取り入れながらも、土地に根ざした農業、無理のない経営、現場感覚を失わないことが重要だという意見が示されました。

これからの農業には、新しい技術を取り入れる力と、技術に依存しすぎない足腰の強さの両方が求められます。

若い世代に伝えたい農業経営の現実

若い世代が農業や林業に関心を持つことは大切です。 しかし、大型機械の導入や規模拡大だけを目標にすると、燃料価格の高騰や修理費、借入負担などによって経営が不安定になる可能性もあります。

対話では、最初に自分の所得目標や経営規模を明確にし、それに合った道筋を立てることの重要性が語られました。 周囲との競争やSNS上の見え方に流されるのではなく、自分の地域、自分の経営、自分の暮らしに合った農業を考えることが必要です。

若い農業者に必要な視点

  • 最初に所得目標と経営規模を考える
  • 大型機械や規模拡大を目的化しない
  • SNSで見える成功例だけに影響されすぎない
  • 有事にも対応できる人員・経営体制を考える
  • 地域の仕事や人材とのマッチングを大切にする

海外農業研修が伝えるべきこと

海外農業研修は、農業技術を学ぶ場であると同時に、農業の現実を学ぶ場でもあります。 夢を与えることは大切ですが、農業経営の厳しさや、収益を生み出すための工夫、地域に根ざして働くことの意味も、正直に伝えていく必要があります。

研修生にとって、日本での生活や農業体験は、将来の経営や人生を考えるきっかけになります。 受け入れる側にとっても、自分たちの農業や地域の価値を見つめ直す機会になります。

海外農業研修説明会の参加者と関係者の様子
海外農業研修の価値を次の世代へ伝えていくためには、制度の説明だけでなく、現場の声を共有していくことが大切です。

愛媛県庁第1別館ロビーにある彫刻「うたかたの譜(うたかたのふ)」前でポーズをとる3人のASEAN農業研修生。彫刻「うたかたの譜(うたかたのふ)」は、愛媛県西条市出身の日本を代表する彫刻家、伊藤五百亀(いとう いおき、1918-1991)によるブロンズ像です。

まとめ:人を育て、関係を育てる制度として

今回の対話から見えてきたのは、海外農業研修の本質が「人を育てること」にあるという点です。 研修生を迎えることは、単に人手を受け入れることではありません。 その人の人生に関わり、地域の農業を伝え、将来につながる関係を築くことです。

愛媛には、長年にわたって海外研修生を受け入れてきた農家や関係者の経験があります。 その経験は、これからの農業人材育成、外国人材受け入れ、地域農業の継承において、大きな意味を持ちます。

海外農業研修は、これからも「農業を通じて世界とつながる」ための大切な入口であり続けます。 そして、その価値を次の世代に伝えていくことが、国際農友会の大きな役割です。

編集メモ:
本記事は、海外農業研修の受け入れ経験、外国人材との関わり、農業経営の現実について語られた書き起こし内容をもとに、NFブログ向けに要約・再構成したものです。
English Summary

This article summarizes a conversation about the value of overseas agricultural training programs. The discussion emphasized that trainees should not be viewed merely as labor, but as individuals who can build long-term relationships with host families, farmers, and local communities.

The conversation also highlighted the importance of accepting foreign trainees with care and responsibility, especially in the context of Japan’s aging agricultural workforce. While foreign labor may become increasingly important, the article stresses that trust, communication, and human relationships are essential for sustainable acceptance.

Another key point was the balance between new agricultural technologies and traditional, locally grounded farming practices. Digital tools, AI, drones, and ICT can be useful, but farmers also need resilience, realistic management goals, and the ability to continue farming even during uncertain times.

Overall, overseas agricultural training is presented not only as a technical learning opportunity, but also as a program that develops people, builds international friendships, and connects local agriculture with the wider world.

愛媛県国際農業者交流協議会

愛媛県国際農業者交流協議会

愛媛県国際農業者交流協議会は(公社)国際農業者交流協会が主催する米国、欧州、オーストラリアにおける農業研修制度に参加した愛媛県内在住のOB・OGによって運営されています。

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