NF Special Interest Group(M6)第3回ミーティングを開催 ― 海外ホストとの再接続と、次世代へ引き継ぐデジタル事務局
NFサイト活用研究部会(通称SIG:シグ)Share
第3回ミーティング
「届ける・つなぐ・引き継ぐ」
Instagram広告の実証結果を共有し、海外受入先との関係再構築、OB・OGネットワーク、事務局のデジタル化を、20年・30年後から逆算して議論しました。
今回の会議では、海外農業研修を単なる「研修生募集」ではなく、応募者、派遣研修生、海外受入先、帰国後のOB・OG、次世代育成を結ぶ循環として捉え直しました。短期施策としてInstagram広告とホストファミリーへのグリーティング活動、中長期施策として事務局基盤のデジタル化と組織の引継ぎ体制を検討しました。
主要な成果
1. 広報の実証
長崎県限定のInstagram広告2で、短期間でも大規模な認知を得られることを数値で確認しました。
2. 関係の再接続
OB・OGから海外の受入農家・ホストファミリーへ手紙やカードを送る全国的な活動案が具体化しました。
3. 組織基盤の再設計
資料を共有ストレージ13へ整理し、担当者が替わっても引き継げる事務局づくりの必要性を確認しました。
会議で見えた基本方針
決定事項
藤川氏によるInstagram広告の実証結果報告
2026年度海外農業研修のプレエントリー募集を目的に、締切4日前から4日間、長崎県内の18〜29歳を中心として、農業・求人・語学・留学等に関心を持つ層へ配信しました。
| 指標 | 通常投稿 | 広告実施後 | 読み取れること |
|---|---|---|---|
| プロフィールアクセス8 | 1件 | 1,022件 | 制度や発信主体を詳しく確認する行動が増加 |
| 外部リンククリック9 | 確認なし | 32件 | 募集ページ等への移動が発生 |
| いいね | 3件 | 56件 | 約19倍 |
| 保存 | 0件 | 16件 | 後から見返す行動が発生 |
| フォロワー10 | 開始時 約20名 | 終了時 約46名 | 新規26名、約2.3倍 |
| 応募 | — | 長崎県から1名 | 短期間でも応募へつながった事例 |
藤川氏の広告運用提案(要約)
- 共通テンプレートを作り、各県組織で共有してはどうか。
- 県組織の公式アカウントで広告を配信し、フォロワー獲得までを目的に含めるのはどうか。
- 国際農友会、県組織、OB・OG個人がリポスト11し、広告以外の自然な拡散も促してみてはどうか。
- 地域、年齢、関心分野を設定し、募集対象へ集中的に届けてみてはどうか。
- 学校キャラバンを置き換えるのではなく、デジタルで認知を広げ、対面で理解を深めてみてはどうか。
藤川氏の中長期提言
藤川氏は、目の前の応募者不足だけを処理するのではなく、海外農業研修と国際農友会を20年後・30年後へつなぐ循環全体を設計すべきだと提案。
日本語要約:20年・30年後から逆算する
- 将来像を数値化する:応募者数、派遣者数、派遣先数、継続年数についてKPI12を設定。
- 量と質を両立する:応募母集団を広げ、適性ある研修生を選べる状態へ。
- 派遣先を維持する:受入先不足を募集とは別の課題にせず、OB・OGからの感謝や近況報告を通じて関係を保つ。
- 経験を資産化する:OB・OGの人生に研修経験がどう生きているかを物語として記録・発信。
- 次世代を育てる:小中学生の段階から農業、海外、国際交流に触れる機会を設ける。
- 世界の農業者ネットワークへ:研修関係を技術交流、商品開発、輸出入等へ発展させ、受入先側にも長期的価値を生む。
- 小さく試して検証する:実証実験、効果測定、理事会報告を経て、有効な施策を正式事業化。
English summary: Designing from a 20–30 year horizon
The proposal calls for overseas agricultural training to be managed as one connected ecosystem—not as a stand-alone recruitment program. Clear targets should be set for applicants, trainees, host placements and continuity. Alumni stories and renewed contact with host families should become long-term assets, while digital outreach and face-to-face engagement should work together. Small pilot projects should be measured, reported to the board and scaled only when their effectiveness is demonstrated.
理事会(2026/08/26)への提案内容
| 提案 | 目的 | 最初の実施案 |
|---|---|---|
| 海外受入先との再接続 | 長年の受入れへの感謝を伝え、関係を維持する | ブロック大会等で手紙・カードを書くワークショップを試行 |
| デジタルと対面の両輪化 | 広い認知と深い制度理解を両立する | Instagram広告の共通テンプレートと測定項目を整備 |
| 事務局のデジタル基盤整備 | 属人化を減らし、次の担当者へ資料を引き継ぐ | 共有フォルダ、命名規則、権限管理14、バックアップ15の最低基準を策定 |
| AI3活用講座 | 文書作成、記録整理、広報の負担を軽減する | ブロック単位で現状確認と基礎講座を実施 |
| 中長期ビジョンとKPI | 20年・30年後の目標から施策を選ぶ | 現状の公式数値を確認し、優先課題を決定 |
ブロック大会支援の参考見積として、事前準備、AI導入、当日支援、記録整理、記事公開を含む242,000円(税込)が示されました。全ブロック一律導入は未決定であり、必須業務、現地で担える業務、初年度の教育費を分けて再設計する必要があります。
共有された課題・リスク
- 海外受入先の減少:派遣希望者を増やしても、受入先が不足すれば事業は成立しない。
- 組織機能の分断:募集、派遣、帰国後、海外受入先、OB・OGの情報が十分につながっていない。
- 事務局の属人化:規約や過去資料が担当者個人に依存し、交代時に引き継げない例がある。
- 県ごとの差:行政との関係、補助制度、会費、事務局体制が異なるため、全国完全一律の運用は現実的でない。
- 個人情報:住所録等をLINEや通常メールで安易に送信しない。保存場所、閲覧権限、取扱手順を決める必要がある。
- 災害対応:初動支援は被災地の負担になる場合があり、全国一律の即時対応を安易にマニュアル化できない。安否確認網と情報共有方法は別途検討する。
- 費用対効果:情報発信の価値はあるが、現段階ではすべての大会に同じ有料支援を導入する根拠が不足している。
未確定・要確認事項
- 現在の応募者数、派遣者数、海外受入先数、および過去からの推移。公式資料による確認が必要。
- 年間約60名を想定した予算、実派遣約30名という会議中の数値。根拠資料を確認するまで確定値として扱わない。
- グリーティング企画の名称、実施時期、送付費負担、住所確認、個人情報の取扱い。
- JAECと海外側受入団体の担当領域を尊重しつつ、国際農友会が担える支援範囲。
- ブロック大会支援の必須項目、現地担当項目、交通・宿泊費を含む最終予算。
- 英語番組・動画制作に補助金を活用できるか、また対象経費・成果報告の条件。
- 2027年初頭に想定される大使館関係行事の日程と、M6提案を紹介できる時間の有無。
アクション項目
| 担当 | アクション | 期限・状態 |
|---|---|---|
| 藤田氏 | 理事会向け資料を作成し、M6へ事前共有する | 2026/08/26まで |
| 清家氏 | デジタル化の必要性、対象範囲、支援案を理事会で説明する | 2026/08/26 |
| 清家氏 | メンバー別のメール設定ガイドを準備する | 順次 |
| M6 | グリーティング企画の実施案と全国展開方法を具体化する | 理事会提案後 |
| M6・理事会 | Instagram広告の次回実証条件と共通KPIを決める | 未定 |
| 関係者 | 派遣・受入先・OB/OGに関する公式基礎データを確認する | 追加調査が必要 |
次回
理事会提出資料はLINEで共有し、修正意見を集めます。必要な議題が生じた場合に次回会議を設定します。清家氏は2026/08/26のオンライン理事会へ参加予定です。
IT・デジタル用語の脚注
- ドメインメール:「@newfarmers.jp」のように、団体独自のドメイン名を使うメールアドレス。
- SNS:Instagram、Facebook、LINEなど、オンラインで情報を発信・共有し、人とつながるサービス。
- AI:文章の作成・要約・翻訳・整理など、人の知的作業を支援する技術。
- OS:Windows、macOS、iOSなど、パソコンやスマートフォンを動かす基本ソフト。
- QRコード:スマートフォンのカメラ等で読み取り、ウェブページや設定情報へアクセスできる二次元コード。
- リーチ:投稿や広告を少なくとも1回見た人数。同じ人が複数回見ても原則1人として数える。
- インプレッション:投稿や広告が画面に表示された延べ回数。同じ人への複数表示も含む。
- プロフィールアクセス:広告や投稿を見た人が、その発信元のプロフィール画面を開いた回数。
- 外部リンククリック:SNSから募集ページなど、外部サイトへのリンクが押された回数。
- フォロワー:アカウントを登録し、その後の投稿を継続的に受け取る人。
- リポスト:他のアカウントの投稿を、自分のフォロワーへ再共有すること。
- KPI:目標達成までの進捗を測る具体的な数値指標。応募者数、リンククリック数など。
- 共有ストレージ:Google Drive等、複数の担当者がオンラインで資料を保存・共有できる場所。
- アクセス権:誰がファイルを閲覧、編集、削除できるかを決める設定。
- バックアップ:紛失や故障に備え、データの複製を別の安全な場所へ保存すること。
記録について
本記事は、2026/08/04に行われたNF Special Interest Group(M6)第3回ミーティングの文字起こしと、藤川勇氏から共有されたInstagram広告実施結果・提言構成案をもとに再構成した会議記録です。文字起こしに明らかな誤認識がある箇所は文脈に沿って整理し、確認できない数値や固有情報は断定していません。