
【愛媛県】令和7年度営農研究会 講演「地域農業と協働する循環型食支援活動」 NPO法人 U.grandma Japan
愛媛県国際農業者交流協議会Share
◾️令和7年度 愛媛県国際農業者交流協議会 総会及び営農研究会の開催
-
開催日
- 令和7年7月25日(金)
- 総会:13:30~
- 営農研究会:15:00~
- 懇親会:18:00~
-
開催場所
- 松山市民会館 第1講義室 〒790-0007 愛媛県松山市堀之内
-
営農研究会開催の目的
-
知見の共有と学びの場の創出
農業の現場で日々起きている課題や新たな取り組みについて、OB・OGや専門家の話を聞き、参加者が最新の情報を学ぶ。 -
組織の絆とネットワーク強化
海外農業研修経験者が一堂に会し、再会や交流を通じて人的ネットワークを広げ、次世代への知識や経験の継承。 -
地域農業への貢献
研修で得た視点を地域に還元し、地元農家や団体と連携して実践的な協力体制を築く。 -
持続可能な活動推進
環境変化や災害リスクにも対応できる新たな農業モデルや社会貢献のアイデアを共有し、継続的な活動の方向性を確認する場。 -
次世代育成と意識啓発
若い世代への刺激や、食・農・地域に対する意識を高める機会としても重要。
-
知見の共有と学びの場の創出
◾️松島陽子氏の紹介
今回の研究会では、NPO法人うわじまグランマ代表・松島陽子さんに「地域農業と協働する循環型食支援活動」をテーマにご講演いただきました。松島さんは愛媛県宇和島市で子ども食堂を運営し、県内の食育活動や農家との連携にも積極的に取り組まれています。当日は、子ども食堂の現状、子どもたちへの食育の重要性、農家や地域社会への期待、災害時の対応、多世代交流の場づくりなど、今後の活動の展望についてお話しいただきました。
NPO法人うわじまグランマの活動にご関心のある方は、以下のリンクよりお問い合わせください。
- Facebook: NPO法人うわじまグランマ
- ホームページ: http://u-grandma.jp/
◾️団体の成り立ちと災害支援からの出発
団体は2018年の西日本豪雨を機に炊き出し活動からスタートしました。おにぎりの提供を皮切りに、地域で必要とされる支援の形を模索しながら、子ども食堂へと活動を広げていきました。
◾️子ども食堂の成長とネットワーク構築
宇和島市内では3箇所だった子ども食堂が現在21箇所に増加。行政や市民団体と連携し、継続可能な支援体制を整備してきた経緯が紹介されました。
◾️フェーズフリーとローリングストックの実践
災害時にも対応できる食の備えとして、普段使いの食材を循環備蓄する「フェーズフリー (Phase-Free*) 」や「ローリング・ストック(Rolling-Stock*)」への取り組みが強調されました。
*Phase-Free: 日常生活で使っているモノやサービスを、非常時(災害など)にもそのまま役立てようという考え方です。たとえば、普段使っているモバイルバッテリーや保存食品が、停電時や避難生活でも活躍するように、「いつもの暮らし」が「もしもの備え」になるようにするのがフェーズフリーのポイントです。
*Rolling-Stock: 防災における「ローリングストック(Rolling Stock)」とは、
普段から食べている食品や日用品を少し多めに備蓄しておき、使ったら補充するという方法です。災害時に慌てて買い込むのではなく、日常の中で自然に備蓄を回していくことで、**「食べ慣れたものを、常に新しい状態で備える」**という安心・安全な防災対策になります。
◾️農家との連携と食料循環モデルの試み
余剰・規格外農産物を冷凍・加工して子ども食堂などへ提供する仕組みが構築されており、将来的には農家への対価支払いも見据えたモデル作りが検討されています。
◾️農業体験や食育活動の導入
収穫体験や調理活動を通じて、子どもたちが農や食に関わる機会を提供。家庭環境にかかわらず、豊かな学びの場を創出しています。
◾️ネグレクト家庭支援と子どもの可能性
日常では見えにくい支援ニーズに向き合い、子どもたちの「きっかけ」になるような関わりの重要性が語られました。
◾️支援の「卒業」と継続的なつながり
支援を受けた子どもが大人になった後も地域でつながる姿が描かれ、多世代支援としての可能性が示されました。
◾️物流網と企業連携の現状と展望
物流負担の軽減や冷凍食品の活用を図る企業連携の取り組みも進行中。防災備蓄との連動も検討されています。
◾️子ども食堂の多様性と地域防災の視点
子ども食堂は、食の提供にとどまらず、地域防災やコミュニティ形成の場としても重要な役割を担っています。
【English Summary】
Sustainable Food Support through Local Agricultural Partnerships
by Ms. Yoko Matsushima, Rep. NPO U.Grandma Japan (aka Uwajima Grandma)
This blog post summarizes the lecture titled “Sustainable Food Support through Local Agricultural Partnerships,” delivered by Ms. Yoko Matsushima (Representative of Uwajima Grandma NPO) on July 25, 2025. Please enjoy the full presentation via our YouTube video with its subtitle in English.