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国際農友会英名:The Alumni Association of Japanese Overseas Agricultural Trainees

全国の帰国農業研修生で構成された国際農友会は、世界に羽ばたく日本の農業青年を応援しています。

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【愛媛県】R8年度 愛媛スリランカ技術交流事業:⑴講演「愛媛とスリランカ - 国際協力から多文化共生への道のり -」

【愛媛県】R8年度 愛媛スリランカ技術交流事業:⑴講演「愛媛とスリランカ - 国際協力から多文化共生への道のり -」

2026年10月17日 愛媛県国際農業者交流協議会
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NF愛媛|交流・研修レポート|2026/10/15

愛媛で育ててきたみかんの技術が、海を渡ってスリランカへ。そして今、その交流は、愛媛でともに働き、暮らす人たちとのつながりへと広がっています。

2026/10/15、愛媛スリランカ技術交流事業の交流会に、NF愛媛から大西副会長と清家事務局が参加しました。今回は、大森典子さんの講演「愛媛とスリランカ―国際協力から多文化共生への道のり―」と、受け入れ農家・技能実習生の皆さんのお話を振り返ります。

講演:愛媛とスリランカ―国際協力から多文化共生への道のり―
講師:大森典子さん(公益財団法人愛媛県国際交流協会 理事)
本記事の対象:交流の歩みを紹介する講演と、受け入れ農家・技能実習生へのインタビュー

写真1|大森さんの講演
愛媛とスリランカの交流の歩みを紹介する大森典子さん。みかんを通じた国際協力から、多文化共生へと広がる取り組みについてお話しいただきました。

始まりは、留学生と交わしたみかんの話

愛媛とスリランカの柑橘栽培を通じた協力は、2006年度に始まりました。愛媛県国際交流協会(EPIC)が進めてきた「えひめ・スリランカ オレンジプロジェクト」です。[1]

講演で紹介されたきっかけは、愛媛で暮らすスリランカ人留学生たちとの、日常のやり取りでした。愛媛のみかんを味わいながら、母国でもおいしいみかんを育てられたら、と話す。その声を受け止め、愛媛の得意なことで協力できないかと考えたことが、事業につながったそうです。

ただ苗木を届ければ済む話ではありません。現地では何が必要とされているのか。どのような技術なら役に立つのか。大森さんは、相手のニーズを確かめることと、愛媛が積み重ねてきた知識や技術を生かすこと、その両方を大切にしてきたと説明されました。

国際協力という言葉からは、大きな事業を想像しがちです。でも、今回のお話の出発点には、顔を知る人との会話がありました。愛媛で当たり前に目にしているみかんが、誰かのふるさとの希望にもなる。そのことを、あらためて教えられました。

八幡浜の景色が、スリランカの目標になった

取り組みの中心となったのは、人を育てることでした。スリランカの研究員を愛媛に迎え、年間を通じて柑橘栽培を学んでもらう。帰国後は現地で試験栽培を進め、愛媛からも専門家が足を運ぶ。講演では、そうした往復を重ねてきた経緯が紹介されました。

印象に残ったのが、研修で訪れた八幡浜の風景の話です。山の斜面に広がるみかん畑を見た研究員たちは、その光景を強く心に刻んだそうです。そして帰国後、自分たちの手で土地を開き、愛媛で見た景色を目標に、みかんの木を植えていきました。

やがて、愛媛から伝わったみかんは「ホラナ・えひめ」という名前でも知られるようになります。この名称は、過去の事業紹介でも確認できます。[2] 講演では、きれいに色づいた実の写真が現地から届いた時の喜びも語られました。

栽培技術と一緒に、目指したい農業の姿も伝わっていたのでしょう。学校訪問やホームステイ、若い農業者同士の交流も、その歩みを支えていました。

じゃこ天づくりから見えた、現地に合う協力

交流は、柑橘だけにとどまりません。講演では、愛媛のじゃこ天などの水産加工技術を伝える取り組みも紹介されました。

大きな機械がなくても、手元にある道具を使い、小さな魚をすり身にして加工する。現地で続けられる方法を、一緒に探していったそうです。一方で、電力や冷蔵・流通の環境が十分でなく、広く普及させるには難しさもあったとのことでした。

技術に価値があっても、そのまま別の土地で使えるとは限らない。相手の暮らしや仕事の条件に合わせて考える必要があるという点も、今回の講演から受け取った大切な学びです。

20年のつながりが、愛媛の農業にも返ってくる

交流が続く間に、愛媛の農業を取り巻く状況も変わってきました。講演で挙げられたのは、高齢化や担い手不足、災害からの復興といった課題です。スリランカの農業を支えるために育んできた関係が、愛媛の農業の将来を考えるうえでも、大切なつながりになってきました。

2023/06/07には、愛媛県とスリランカの間で「農業分野等における協力に関する覚書」が締結されています。[3] 大森さんからは、その実現までに現地を訪問し、情勢の変化で調整が難しい時期にも関係を保ってきたことが紹介されました。

そして、スリランカの若者たちが愛媛の農業現場で働くようになり、協会の活動にも、来日後の生活相談や交流の支援が加わっていきます。

海外で育ててきたつながりを、今度は地域の暮らしの中で育てていく。「国際協力から多文化共生へ」という講演の題名には、そうした具体的な歩みが込められていました。

働く人の向こうに、家族の暮らしがある

講演の中で、とりわけ心に残ったのが、受け入れ側の関係者がスリランカを訪ね、実習生のご家族と会った時のお話です。

遠い国へ送り出した家族が、どのような人たちと働いているのか。電話やメッセージで連絡できても、気になることはあるはずです。受け入れ先の人が実際に訪れ、仕事ぶりや日々の様子を伝える。その対面が、ご家族の安心につながった様子が語られました。

日本で働く家族からの支えによって、家の暮らしを整えたり、きょうだいが学び続けられたりする。そうした話からは、一人ひとりが抱いている責任や願いも伝わってきました。

大森さんは、ご家族とのつながりを深めることが、愛媛で働き続けたいと思える関係づくりにも役立つのではないかと話されました。人手の確保を考える時にも、働く本人の生活や将来まで見ようとする姿勢を忘れたくありません。

農作業だけでは見えてこない、一人ひとりの力

講演に続くインタビューでは、小林果園の園主・小林さんと、スリランカ出身の農業研修生お二人が登壇しました。仕事に慣れるまでのこと、日本語の勉強、地域での暮らしなど、日々の経験を聞くことができました。

小林果園の園主・小林さんと、スリランカ出身の農業研修生お二人。大森さんの進行で、農業の仕事や日本語の学習、地域での暮らしについて伺いました。

受け入れ側からは、仕事を覚え、必要な作業を理解して動いてくれるようになり、頼りになる存在になっているというお話がありました。実習生の皆さんからは、インターネットや教材を使って日本語を学んでいること、日本の技術や文化への関心、将来のために成長したいという思いが語られました。

中には、農作業に加えて、商品の写真撮影やWebサイトづくり、SNSでの発信にも力を発揮している方がいるそうです。絵やデザインが得意だという紹介もありました。

「農業の働き手」という言葉だけでは、その人の得意なことまでは見えてきません。一緒に過ごし、話してみることで、思いがけない力に気づく。今回のやり取りは、そのことをよく伝えていました。

地域との関わりについては、近所とのコミュニケーションや、清掃活動などを通じて知り合う機会をつくる大切さも話題になりました。仕事の説明だけでなく、地域で無理なく暮らすためのやり取りも、受け入れ側が一緒に考えていく必要があります。

NF愛媛として、これから考えたいこと

ここからは、今回のお話を受けた私たちの考察です。

海外農業研修と関わりを持つNF愛媛にとって、異なる言葉や生活習慣の中で働き、学ぶ若者の姿は、身近に受け止めたいテーマです。海外へ出て学ぶ経験と、海外から来た人を地域に迎える経験。その両方をつなぐところに、私たちが考えられる役割もあるのではないでしょうか。

例えば、受け入れ農家の経験を会員同士で共有すること。来日した方の話を聞く機会をつくること。仕事以外でも地域の人と知り合える場を考えること。すぐに大きな事業にしなくても、始められる関わりはありそうです。

ただ、親しさや善意だけに頼ることもできません。働き方や生活環境への配慮、困った時に相談できる関係を整えることも、一緒に考えたいと思います。また、国籍で人柄をひとまとめにせず、目の前の一人の得意なことや希望を知ることが出発点になるはずです。

みかんの栽培から始まった交流が、20年をかけて、地域でともに暮らす人たちとの関係へと育ってきました。愛媛の農業をこれからどう支えていくのか。その問いを、海の向こうにつながる人たちとも一緒に考えていきたいと思います。

愛媛県国際農業者交流協議会(NF愛媛)
事務局 清家正亀

English Summary|英語で読む

On October 15, 2026, representatives of NF Ehime attended an exchange event focused on Ehime and Sri Lanka. In her lecture, Noriko Omori of the Ehime Prefectural International Center (EPIC) traced a relationship that began with citrus-growing cooperation in 2006 and has expanded into support for Sri Lankan people working and living in Ehime.

The lecture described technical training, personal exchanges and visits to trainees’ families in Sri Lanka. Interviews with a host farmer and technical intern trainees offered a closer look at everyday work, Japanese-language learning and life in the community. One trainee was also contributing photography, website and social media skills.

For NF Ehime, these experiences invite reflection on how international agricultural exchange can support both farming and community life. Getting to know each person’s abilities and hopes, creating opportunities to meet local people, and supporting fair working and living conditions are all part of that discussion.

記録・参考資料
本記事は、2026/10/15の講演およびインタビューの書き起こしをもとに、要旨を再構成したものです。発言の逐語録ではありません。体験談は当日の登壇者による説明として紹介し、末尾の「NF愛媛として、これから考えたいこと」は執筆者の考察です。記載した案は、NF愛媛の決定済み事業を示すものではありません。

  1. 公益財団法人愛媛県国際交流協会(EPIC)「多文化共生・国際交流/愛媛とスリランカ」
    公式事業紹介
    公開日:確認できません/確認日:2026/10/17。事業の開始年度を確認。
  2. 市民国際プラザ「えひめ・スリランカ オレンジプロジェクト」団体活動インタビュー
    事業紹介・大森典子さんへのインタビュー
    公開日:2018/07/11/確認日:2026/10/17。講師の氏名表記および「ホラナ・えひめ」の名称を確認。
  3. 西予市「農業分野における外国人材の受入れ情報(スリランカ人材)」
    覚書締結に関する自治体の説明
    更新日:2025/10/06/確認日:2026/10/17。覚書の名称と締結日を確認。
愛媛県国際農業者交流協議会

愛媛県国際農業者交流協議会

愛媛県国際農業者交流協議会は(公社)国際農業者交流協会が主催する米国、欧州、オーストラリアにおける農業研修制度に参加した愛媛県内在住のOB・OGによって運営されています。

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